Tomi&kunのDIYとガーデニング

井戸をDIYでメンテナンス


井戸をDIYでメンテナンスする。井戸ポンプの設置,交換,修理など。
井戸清掃(井戸さらい)も実施。
井戸水の有効利用については順次UP予定


最終更新日:2015年9月28日



井戸水の有効活用

井戸水を洗車・草木散水用に利用。
夏には,駐車場のコンクリートと道路(アスファルト)の「打ち水」用に利用。

熱帯魚とメダカの飼育水にも利用。
魚を飼う飼う時には塩素の入っていない安全な井戸水は重宝


井戸と井戸ポンプ

井戸のスペック
形 式 掘り抜き井戸(掘井戸)
直 径 約900mm
深 さ 約5m
水 位 地上面より約2〜4.5m
(季節により変動あり)
地 域 神奈川県横浜市南部区


水質検査結果(2001.5.14)
検査項目 検査結果 水質基準 判定結果
一般細菌数 550 個/mL 検水1mL中100個以下 ×
大腸菌群数 検出 検出されないこと ×
硝酸・亜硝酸性窒素 21 mg/L 10 mg/L以下 ×
塩素イオン 36 mg/L 200 mg/L以下
過マンガンカリウム消費量 3.0 mg/L 10 mg/L以下
pH 6.9 5.8以上8.6以下
異常なし 異常でないこと
臭気 異常なし 異常でないこと
色度 2度 5度以下
濁度 0.1度未満 2度以下
判定:水道法第4条第2項の規定による水質基準に 不適合 


【 経緯と状況 】
第1ステップ 1999.8 井戸の保存
建物新築時に埋められてしまう予定だった井戸を埋めずにそのまま残してもらう。

TOMI家敷地は以前に借地・借家として利用されていて,借地時代には数件の家の生活用水(飲用)として使用されていたと思われる。

近隣には,古くからのお宅には井戸があり,稼動・利用状態は不明ながらも,現在でもポンプを設置したままの家も相当数あります。

第2ステップ 2000.7 井戸ポンプ設置
井戸ポンプ設置(中古,日立製),ポンプ吐出側に蛇口1個取付。
草木・家庭菜園の散水用として利用。

水質は無色透明,若干の草木的?におい有り。
長期間使用されていなかったため,水みちを回復させるためできるだけ多頻度で水を流す。

30分以上連続で流してもポンプのサクションパイプ(給水側)が液面上に出ることはなく,渇水の心配はなし。


第3ステップ 2001.5 水質検査
保健所に水質検査依頼(2500円)
亜硝酸窒素検出により飲用不可。大腸菌群検出あり


コンクリート製蓋の隙間より昆虫(アリ,ダンゴムシ)が井戸内に落下していることを発見。
地中20cm付近の側壁に過去に取水パイプ取付用の穴を発見し,土が井戸の中に流れている様子のため,穴をモルタルで塞ぐ。


第4ステップ 2004.6 簡易水質検査
(亜硝酸・硝酸)

硝酸・亜硝酸検出紙入手。(サンプル品)
水質検査のとおり若干の硝酸・亜硝酸検出あり。

飲用・風呂・生活用水の利用は断念。


第5ステップ 2005.2 簡易水質検査
(大腸菌群)

大腸菌群試験紙購入。
試験紙では陰性(検出なし)

第6ステップ 〜現在  −
現在の用途
・散水(庭木,ガーデニング用)
・洗車
・夏の打ち水
・熱帯魚&メダカ&ミナミヌマエビ水槽用の飼育水
・水槽の清掃用水







配管詳細


井戸水用の母管はVP管(32A)を使用。
各分岐や取り合いは一般的な散水用ホースを使用。
凍結の心配はまずないので保温は特になし。

井戸〜井戸水ヘッダー管接続部

井戸からの送水用配管の元弁として32Aの玉型弁を設置
この元弁を閉にして各配管のメンテナンスをします。

送水先:ガレージ側水栓,水槽半自動給水用配管等

配管は長い距離を取り回すのであればできるだけ太くして配管の圧力損失を減らす必要あり。
水道と違い,浅井戸ポンプは吐出圧力がそれほど大きくないため,
一般的な水道用配管よりも,太くすることが必要。
TOMI家井戸水配管の母管は32Aを使用。
圧力損失は流速の2乗となって増えるため,
流速は1m/s程度に抑えるように配管口径を決定。


屋外立水栓

右側が水道水,左側が井戸水用。主に庭木・草花散水や洗車用に使用
散水・洗車に水道水を使用しないので,水道料金の節約に貢献。
夏には駐車場や道路に「打ち水」することで暑さを和らげる,涼を得ることにも利用.
井戸側蛇口に「この水は飲めません」の札をぶら下げて,
水道と井戸の蛇口を明確化して誤飲等の防止。


井戸水は塩素が入っていないので,
熱帯魚やメダカの飼育水にも利用しています。
水道水の汲み置きで塩素を飛ばした水よりも,
井戸水のほうがメダカ&ミナビヌマエビの生育が良好のようで,
ミナミヌマエビが死亡☆する頻度が減少。

数日放置した水道水ではトリハロメタンの影響が残っているのか...
いずれにせよ,ミナミヌマエビには井戸水が最適のよう。




井戸をDIYでメンテナンス(井戸ポンプの交換)


井戸ポンプを交換
実施日:2007年4月(1回目)
実施日:2015年8月(2回目)




井戸ポンプ交換(MPW-152)

ポンプ老朽化(錆)でポンプ本体主要部(グランド部)から漏水。
各部が古いため修理はせずに,既にスペアとして用意してあった,
中古の井戸ポンプに交換

日立製(茶色,2000年7月設置)→東芝製(緑色,2007年4月交換)
大きさ配管類の取り出し向きなどは同一のため,
土台・配管類は前ポンプのものをそのまま流用。

ポンプの容量&揚程がUPしたため,水の圧力は多少UP。


井戸ポンプを交換(2回目)
実施日:2015年8月

中古の大容量・大揚程の井戸ポンプを入手することができたのでDIYにて交換。

井戸ポンプ新旧比較

新旧の井戸ポンプの比較。メーカは新旧共に東芝製


井戸ポンプ新旧比較表
 形式 全揚程
(m) 
揚水量
(L/min) 
圧力スイッチ
動作圧力
ON-OFF(kgf/cm2)
 
出力
(W) 
 消費電力
(W)
 旧  MPW-152  16  21  0.9-1.5  150 298 
 新  MPW-408  24  45  1.8-2.6  400 780 

交換するポンプは以前のポンプより,容量(吐出量,揚程)が大きい。
全揚程は24m,送水量は45L/minになったため,
散水のシャワーはより強く,遠くまで届くようになってポンプの交換効果を実感

東芝製ポンプ類の取扱説明書のサイト

東芝製井戸ポンプ 取扱説明書(pdf)


ストレーナ(砂こし器)比較


上:以前のもの,下:今回のもの

旧ポンプは小型のY型ストレーナだったものを,
新ポンプではバケット型の大容量ストレーナ(砂こし器)に交換
砂こし器は,ポンプに付属していたためポンプの保護を主目的に設置,
小さいY型ストレーナでも閉塞や砂が詰まるということは以前からも無し。


ポンプ交換後

ポンプの大型化に伴い吸水管の位置や高さ方向が多少違うものの,
前回のポンプとほぼ同様に設置可能。
また,容量(流量)大きいため,吸水管・送水管の取り合いサイズも大きくなり,
ブッシング等で合わせることも必要。

吸水管接続部

吸水管は,塩ビ管(VP管・20A)のため接続には塩ビ製のユニオンを使用。
工具なして簡単に配管を取り外し出来るのでメンテナンスに便利。
吸水管のため,耐圧(負圧)的にも問題無し,
10年以上使用しても漏れ等は無く,耐久性も充分有り

ユニオン(TSK)



なお,東芝製家庭用井戸ポンプは2012年(平成24年)3月で製造中止とのこと。
次期の井戸ポンプはインバータ付で計画
日立 浅井戸用自動PAMポンプ・単相100V・125W
テラル(旧三菱) 浅井戸用自動式ポンプ 単相100V 50Hz【WP-85T-1】





井戸をDIYでメンテナンス(井戸さらい)


井戸清掃(井戸さらい)を実施。

実施日:2013年9月21,22日

近年,夏と冬の渇水期に水位が低下することがあり,
特に冬の渇水期(1〜2月頃)月は吸い込みパイプの先端付近まで
水位が低下することがあるため,井戸の底の容量確保と水みちの改善を図るべく
井戸さらいを実施。

井戸は掘り抜きで,内径は900mmほどあるため,
井戸の中に人が入ることは可能。
人が降りるには,ハシゴ&酸素の確保が必要で,
1人作業では予期せぬ事故の可能性もあるため,
井戸へ入っての作業は却下。

井戸の底の堆積物を吸い上げるのみで十分として,
吸い上げ用のポンプをゲット。


吸い上げ用ポンプ(工進製)

工進製のエンジンポンプ

電動投げ込み式の排水ポンプか吸込み揚程の大きいポンプの
どちらかを検討した結果,他の用途での汎用製とコストバランスで,
エンジン式のポンプに決定。

電動式は電源を繋げば直ぐ使用できるメリットあり。
エンジン式は,電源のないところ(実家の畑の水やり用)や,
災害時の停電の際にも使用できることからもエンジン式はメリット有り。

大規模災害で停電が続いて水道が不通になり,
水が必要となった時に,井戸水を使うことを想定で,
井戸らさいは,災害時の給水訓練も兼用。

工進製 ハイデルスポンプ(SEV25L)
全揚程  :32m
吸込揚程 : 8m

井戸と2つのポンプ

底の堆積物吸い上げ用パイプは本設の給水用(吸い上げ)パイプを流用


吸い上げ用のポンプとホース類

白いホースが吸い上げ用。青いホースが吐出用。
吸い上げ用のホースはポンプの付属品。
工進のポンプは,ホースや継ぎ手類がある程度付属しているので親切。


井戸内部

夏の後のため少々渇水気味


吸い上げ用パイプ先端

底に堆積した細かい砂やヘドロのみを吸い上げるため,
塩ビ(VP)管の先端を斜めに切断して,バーナで熱してから潰して成形。
吸い上げ粒径は1mm未満。
既設の吸い上げ用パイプの先端に差し込んで使用。


井戸さらい中(吸い上げ作業中)

パイプを底まで付けてから上下に軽く突くようにして吸い出す。
底の全体を満遍なく突いて「さらい」作業を実施。


井戸底の堆積物

細かい砂が中心,ヘドロ状の土のようなものはあまり無し。
吸い出した量も全部で1〜2L程度。想定していたより井戸の底は綺麗だったよう。


井戸さらい用ポンプ詳細

ポンプのインペラー部ケーシングにドレン用バルブを急遽取付。
ネジのサイズは15A(1/2")がピッタリ。

オリジナルのドレンは,黒いプラスチックのキャップが付いているものの,
吸い上げ作業中にケーシング内部に砂が滞留・堆積しポンプがロック気味になったため,
素早く砂類をドレン排出できるようバルブを取付。
取り付た弁は所有していた仕切り弁だったものの,流路確保のためには,
フルボアのボール弁のほうが理想的。

新品のエンジンのため,始動性は良いものの,頻繁に運転,停止するためには,
いちいちスタータロープを引きエンジンを掛ける必要があり面倒。
吸い上げ作業中に,バルブを時々開けてドレンを排出することで,
連続して「さらい」作業を実施することが可能になり作業効率がアップ。


エンジン排気口周り

スロットル開度,60〜80%程度で使用したためか,少しオイルが過剰
使用したオイルはレーシングカートのエンジン(YAMAHA 製YZ125)で
使用しているものと同じ,EVOLEXの最高グレードのR2というもの。

ポンプより高回転のチェーンソーでも50:1で充分なので,
回転数が低く負荷の小さい汎用エンジンではオーバースペックのよう,
次回は混合比は50:1ではなく,60〜70:1程度でテスト予定。


井戸ポンプ類復旧

吸い上げ用パイプの先端を取り外して,配管・井戸蓋を元の形に復旧。


井戸さらい作業完了

お清めして作業完了





井戸をDIYでメンテナンス(井戸ポンプの修理)


交換したばかりの大容量の井戸ポンプが故障したため修理を実施。

実施日:2015年9月6日

ポンプ内部

東芝製井戸ポンプ(MPW-408)内部

 症状 ・モータは回っているが,水を吸い上げない。
・スイッチONから,僅かの間(数秒)だけ水を吸い上げる。
・いつまでたってもタンクの圧力が上昇しない。
 点検結果 ・井戸の水位は充分ある。
・吸水管の破損は無し。先端は水に浸かっている。
・ストレーナ周り,配管ユニオン等の漏れは無し。
・チェックバルブの固着,動作不良は無し。
・空気補給器のチェック用ボールは作動し,問題無し
・呼び水は充分補給済。
・ポンプのグランドシール部からの水漏れは無し。

・空気補給器とチェックバルブ間の導圧管(チューブ)を外すと,
 連続して吸い込み続けることが判明。
・空気補給器を分解して点検したところ,中のゴム製ダイヤフラムが劣化し,
 ヒビ割れして,小さな穴が開いていた。

・呼水口のキャップにも微細なクラック(ヒビ割れ)が入っていて,
 ほんの僅かに漏れ発生あり。
 応急処置  ・空気補給器は,前回使用していたポンプ(MPW-152)と型式が同じであったため,
 MPW-152のものと交換。
 恒久処置  ・空気補給器のダイヤフラムをパーツで購入し,交換
 パーツ名:ダイヤフラム,パーツNo.:42142073,価格:320円 


空気補給器

空気補給器と奥の圧力スイッチ


空気補給器分解

構造は至ってシンプル


空気補給器ダイヤフラム


ダイヤフラムのゴムが劣化・ヒビ割れして,小さな穴開き有り。
ここから圧力が漏れて,チェックバルブ側に圧力が掛かったため,
吸い上げが止まってしまっていた。

新品のダイヤフラムに交換して,元通りに組み立てて修理完了。


新品ダイヤフラム

パーツNo.42142073 。他の多くのポンプと共通の模様


補助タンク呼水口のキャップ

呼水口(補助タンク)のキャップにも微細なクラック(割れ)があり,僅かに圧力漏れ有り。
今回の故障とは直接関係ないが,タンクから圧力が除々に漏れるため,井戸を使用していなくても,
圧力保持のためにポンプが運転することとなり,電気代の浪費となるため,キャップも交換。

前回のポンプよりも,ポンプの揚程(吐出圧力=圧力スイッチの動作圧力)
が大きくなったため,ダイヤフラムや呼水口キャップに掛かる負荷(圧力)も大きくなり,
前回ポンプでは発生していなかった故障が発生した模様。


 
 圧力スイッチ
動作圧力
ON-OFF(kgf/cm2)
 旧ポンプ  0.9-1.5
 新ポンプ  1.8-2.6







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