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ミミズコンポストとは
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- ミミズの食性・生態を利用して,有機物の生ゴミや剪定物などからコンポスト(=肥料)を作り出すこと。
- ミミズコンポストでのコンポスト(堆肥)はミミズが有機物を食べて出したフンです。
- ミミズコンポストで飼育するミミズはシマミミズと呼ばれている種類のものです。釣具店などで売っているミミズもシマミミズの仲間です。
土を掘り起こしたときによく発見するミミズはシマミミズではなく種類が違うのでミミズコンポストには向いていません。こちらは土壌中に生息する種類のものです。
シマミミズは土の中では生息できません。
- 家庭でのミミズコンポストでは一般的には生ゴミを有機物の餌として与えますが,草花剪定物,牛糞なども餌となります。餌についてはこのページの下方に詳細に解説してあります。
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ミミズコンポストの良いところ
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- 理にかなっている
ミミズが生きていくために餌を食べるという行動を処理の基本としているので,加熱など人工的手を加えていなくて,処理方法に無理がない。
- 電力,副資材が不要
家庭用生ゴミ処理機はいろいろな方式がありますが,どの方式も電気代が掛かったり,基材の補充が必要となるなど定期的に費用が掛かります。
- ほぼ無臭
嫌気的発酵状態にならなければ臭いは出ません。生ゴミ処理機は臭い対策が必要で,そのために電気代や消臭材の費用が必要となります。
- 以下はフロースルー式のみ
(フロースルー=餌をミミズ箱の上から投入し,ミミズのフンをコンポストとして箱の下部から取り出す構造のもの)
- 連続処理が可能
処理能力が安定してくれば,次々と連続処理できる。バクテリアコンポストのように処理完了間際のものと新しい未処理のものが混ざることがない。(フロースルー方式の場合)
- 攪拌の手間が不要
バクテリアコンポストなどのように定期的に攪拌する必要がない(フロースルー式以外の場合は必要となることがあります)
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ミミズコンポストの良くないところ
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- 生物なので機械のようにスイッチONで最初から性能がでない。(半年以上は「慣らし(=訓養)」が必要
- 処理能力が一定でない。(低温時にミミズの活動が低下すると処理能力が落ちてしまう)
- アメリカミズアブなどミミズ以外の(精神衛生上)好ましくない生物の排除が必要となる場合がある。
- 環境が悪くなると脱走したり,最悪は死んでしまう。
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TOMIのミミズコンポスト導入理由
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- ガーデニングによってでる植物残渣の有効利用。
- バクテリアコンポストは攪拌・水分調整・材料の割合や調整を行い最適な環境を構築・維持する必要があり,管理もシビアに行わないと良いコンポストを作ることができない。
- ミミズコンポストは餌を適量投入し,水分を乾き過ぎない程度にしておけば特別な管理が不要。
- 電力・副資材類が不要なためランニングコストがかからない
- 底抜け箱とロープ枠のシンプルな構造のため製作コストが安く,製作も容易。
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ミミズの飼い方・育て方【餌について】
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- 生野菜類,庭の刈った雑草,落ち葉など,牛糞などの家畜糞,新聞紙・ダンボールなどの紙類などの炭素繊維
- 特に喜ぶ餌(早く食べる餌):スイカ,メロン,トマト,パイナップル,桃など。甘くて柔らかくて水っぽいもの
- 骨,貝殻など硬いもの歯がないため苦手。(卵の殻はある程度細かく砕けばOK)
- あまり良くない餌:柑橘系のもの(柑橘系に含まれるリモネンという物質がミミズには有害とのこと),芋類(腐らずに芽が生えてきてしまう,ある程度細かくすればOK)
- 調理済みの食品は基本的には不可(いろいろとOKなものもありますが完全に確認・検証できていませんので現状不可としています)
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ミミズの飼い方・育て方【環境について】
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- 極端に寒暖の大きいところは不可(暑すぎず,寒すぎず)
- 関東地方南部なら1年中屋外の箱設置で可。箱の大きさにもよるがあまり小さい箱だと外気温度の影響を受けやすいのである程度の大きさは必要。
- TOMIのミミズコンポスト2,3号程度の大きさであれば,外気温対策は特に不要。
ただし,1日中直射日光は避けたほうが◎
- 外が暑いときには,地中(コンポスト深いところ)の温度が低いところにもぐります,外が寒いときには,数十匹が集まってミミズ団子状になって寄り添います。
- 水分は常に上面が湿気ている程度必要。少ないより多い分には問題なし。フロースルー式以外の排水の悪い箱は水が溜まらないように注意する必要あり。
- 表面積(餌がある面積)は大きければそれだけミミズの活動できる範囲が増えるので固体数も多くなる,逆に表面積が小さいとある程度の数しか増えない。ミミズは自分たちの生活できる環境にあった個体数に自然と調整します。
- フロースルー式の場合は,餌が上面から投入されるため,いつも餌は上方にあり,フン(コンポスト)が下へ下へ抜けていくので,上面積が大きいほうが活動エリアが広がり個体数は増えやすい傾向にあると思います。
- フロースルー式はミミズは上面近くに多数生息し,真ん中〜下のエリアにはあまりいない。たまにフロースルーの下の網部から抜け出る輩もアリ。
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ミミズの飼い方・育て方【アメリカミズアブとその対策について】
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- 梅雨〜夏になると,黒いハチがミミズコンポストに飛来します。この黒いハチの正体がアメリカミズアブです。そして,ミミズコンポストでは,このアメリカミズアブ(の幼虫)はやっかいものです。
アメリカミズアブの画像はこちら
- アメリカミズアブの幼虫は,コンポスト内でミミズと同じものを食します。アメリカミズアブの幼虫は食欲旺盛・活動が活発なため,ミミズたちは餌をとられて,居場所がなくなりミミズたちは逃げていってしまいます。
- 各種の微生物や小さな生き物と共存しているミミズですが,アメリカミズアブとは共存関係は築けないようです。
- 普段はほぼ無臭のミミズコンポストも,アメリカミズアブの幼虫が増えると,腐臭がするようになります,腐臭の原因はミズアブ幼虫自身なのか糞なのかは定かではありません。
- アメリカミズアブ対策は,@成虫を近寄らせない,A卵をすぐに除去する,B幼虫をコンポスト内からすぐに除去する...しかないようです。
- @成虫を近寄らせない・・・成虫は「匂い」で集まってくるようです。匂いが発生しないように,コンポスト蓋を密閉にする,餌をコンポスト内(浅いところ)に埋める,えさの上部におが屑や細かく切った新聞紙をかぶせる・・・などがあります。
TOMIのミミズコンポスト3号は上部蓋が密閉なので,ミズアブ被害はありません。
- A卵をすぐに除去する・・・匂いで寄ってきたアメリカミズアブの成虫は,蓋の裏や縁などに,乳白色の極小の卵を産み付けます。卵はまとまって産み付けられるので発見は容易です,卵は発見次第即刻除去します。まちがっても,コンポスト内に入れたり,落としたりしないようにします。
- B幼虫をコンポスト内から除去する・・・気をつけて卵を除去していても,いつの間にか幼虫が発生してしまうことがあります。幼虫はコンポストの一番美味しいエサのところに集結しますので,まとめて捕獲してコンポスト外にだします。
- アメリカミズアブの幼虫を捕獲する方法@・・・ざるや下部に数ミリの穴を開けた容器に生野菜などを入れておくと行動力旺盛なアメリカミズアブの幼虫だけが集まりますので,集まったところをまとめて捕獲して,コンポスト外にだします。
(エサを入れてから1時間もあれば集まります)
- アメリカミズアブの幼虫を捕獲する方法A・・・コンポスト内のエサを軽くほじるとミズアブの幼虫が集まっている場所があるので,1匹づつピンセットでつまんでコンポスト外へ出す。
ピンセットは百円ショップのもので十分です。コンポストが大きかったり,深めのときには,少し長め(150mm以上)のピンセットのほうが使いやすいです。材質はステンレス製が◎
(ピンセットは115mm〜300mmまであります)
- ミズアブの幼虫が大量に発生してしまった時には@,少数のときにはAが有効です。
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おまけ
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- 一般的に生ゴミ処理のために税金という高い処分費を払って処理場(ゴミ焼却施設など)を造り,多くの化石燃料とエネルギーを使い焼却して処理しているのが現状です。
- 生ゴミを焼却すると灰と二酸化炭素を排出し,地球の温暖化を加速させるだけです。貴重な資源を有効活用でき環境にもやさしいということでミミズコンポストは有効な資源の利用方法のひとつだと思います。
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